髪を染めることは、紀元前3500年前のエジプト時代から行われていたといいます。当時の人たちは動植物や鉱物などの自然界に存在する色素で毛髪に色をつけていました。現在では人工的に作られた色材によって、おしゃれ染めや白髪染めを楽しむことができます。髪を自分の好みの色に染めることで表情が輝き、気持ちもウキウキと弾んできます。今や、ヘアカラーは髪のおしゃれになくてはならないアイテムといえそうです。
毛髪に色をつけるメカニズムには、色材を「物理的」に毛髪につけるものと、「化学的」な反応を伴って染着するものがあります。日本人の毛髪は黒髪であるため、その上に色を染めただけでは思うように変化させることはできません。そこで、黒い毛髪を脱色(ブリーチ)して染色します。化学反応による染毛「酸化染毛剤」は、酸化発色と脱色を同時進行で行い、2〜3カ月は色落ちしない永久染毛剤として広く使われています。
医薬部外品 |
●酸化染毛剤(永久染毛剤) |
ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め |
●脱色剤 |
ヘアブリーチ、ヘアライトナー |
●脱染剤 |
ブリーチパウダー、パウダーブリーチ、デカラライザー |
化粧品 |
●酸性染毛料(半永久染毛料) |
ヘアマニキュア、カラーリンス、カラートリートメント |
●毛髪着色料(一時染毛料) |
カラースプレー、カラークレヨン、ヘアマスカラ |
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@まず、キューティクルを開きます。 |
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Aヘアカラーの薬液を塗布すると、アルカリ剤がキューティクルを開きます。
そして、過酸化水素(H2O2)と染料が毛髪内部に入っていきます。 |
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B毛髪内部に入った過酸化水素(H2O2)はメラニン色素を分解。脱色し、髪の色が明るくなります。同時にはじめは無色だった染料が酸素と結び付くことで発色します。酸化した染料の分子はくっつくことで大きくなり、キューティクルの隙間から毛髪の外へ出にくくなります。これでヘアカラーされた状態になります。
しかし、この状態では毛髪はアルカリ剤によって本来のpHではなくなっています。また、キューティクルが開いたままなので、毛髪内のコルテックス層にあるタンパク質や水分が流出し、染料はどんどん色落ちしてしまいます。
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C残留アルカリ、過酸化水素を取り除き、毛髪を健康なpH値に戻します。毛髪内部から出たタンパク質を補い、染着力と保持性を高めます。 |
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D擬似コルテックス層を作り、補充した成分をつなぎ止めます。 |
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Eキューティクル層を保護します。色素の流出を防ぎ、髪の表面をなめらかにします。 |
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