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野澤流ヘアケア術
インタビュー(ムービー)
トリートメントはスタイリングの第一歩。

トリートメントとは英語で「処置、治療、手当て」という意味です。いったん損傷した毛髪は、それ自身で修復することはできません。早急に適切なケアをしないと、日常生活の中で損傷の度合いがますます進行してしまいます。トリートメント剤は、毛髪の損傷の進行を抑制・防止すること、また、損傷部位の補修のために使用するものです。


感触のよいものが髪や地肌によいとは限らない。

健康な髪はケラチンタンパク質約80%、水分10〜15%、セラミド(脂質)3%、メラニン色素3%、ミネラル微量で構成されています。髪が傷むと、この構成比が崩れ、パサつきや切れ毛、枝毛が目立ってきます。そこでトリートメントの出番。タンパク質や水分、セラミドを補充し、傷ついた髪をやさしく保護します。注意すべきは感触のよいものが必ずしも髪や地肌によいとは限らないということ。シャンプーと同様、ラベルに書かれた配合成分をしっかりチェックして、確かな品質のものを選びましょう。


トリートメントの主成分、カチオン界面活性剤。

トリートメント剤の主成分はカチオン界面活性剤です。カチオン界面活性剤は毛髪表面のマイナス部分(−)と、カチオン界面活性剤の親水基のプラス部分(+)がイオン的に吸着して、毛髪の表面に層を形成するため、帯電防止効果があります。カチオン界面活性剤は衣類の柔軟剤にも使用されているように、繊維をやわらかくする効果があります。したがって、カチオン界面活性剤を主成分としたトリートメント剤でケアすると、髪が静電気を帯びないので広がりにくく、しなやかにまとまります。


シリコンの「ツルツル、サラサラ」に要注意。

一般的なトリートメント剤には感触向上のためにシリコン及びシリコン系油剤が配合されています。これらは使用直後はツルツル、サラサラとした手触りがあるので、髪の状態が改善されたように錯覚しがち。ガサつかないのでブローしやすい、うねりがなくなって収まりやすいなどの感触が得られますが、いずれも一過性のものでしかありません。シリコンは長期使用によって髪と頭皮に蓄積され、パーマがかかりにくくなったり、毛穴を塞いで皮脂の分泌を妨げるといった悪影響も出てきます。


  トリートメント、コンデショナー、リンスの違いは?
トリートメント剤にはカチオン界面活性剤以外に、油分やポリペプチド(ppt)、アミノ酸などのコンデショニング成分が高濃度で配合されています。これらの成分は毛髪内部に徐々に浸透して、コルテックス内の欠落したマトリックス(間充物質)を補い、水分保持力や毛髪の弾力などの機能を補修します。これに対して、リンスは毛髪の表面の帯電防止を目的とした製品。カチオン界面活性剤以外のコンデショニング成分はあまり多く含まれていません。コンデショナーはトリートメント剤とリンスの中間に位置づけられ、毛髪補修の機能も持ち合わせている弱いトリートメント剤と考えればよいでしょう。
 
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