古くから人は毛髪にウェーブを与えたいと願ってきました。そのため、毛髪が持つ復元力（元に戻ろうとする性質）を取り除き、半永久的にウェーブを保つためにいろいろな方法を試みてきました。そしてついに、毛髪内部の側鎖結合を切断することでウェーブが可能となることを突き止めたのです。ナチュラルなウェーブヘアは女性らしさの象徴。パーマはサロンにおまかせの方も、そのメカニズムをちょっぴりかじってみませんか。

キューティクルの内側にあるコルテックスには、繊維ケラチンが葉巻状に縦に並んで詰まっています。この繊維と繊維がバラバラにならないように、互いの間を糊で固めるような役目を果たしているのが間充物質（マトリックス）。マトリックスのシスチン結合を意図的に切って、再結合させることでパーマがかかるのです。

どんなに美容師のテクニックが優れていても、間充物質（マトリックス）の少なくなった髪にきれいなウェーブを作ることはできません。マトリックスは一度でもパーマやカラーをすると水やアルカリに溶けやすい状態に変わり、シャンプーをするたびに少しずつ溶け出してしまいます。きれいなウェーブを実現するためにはマトリックスを前処理剤として補充する必要があります。このように、パーマは髪にとってはちょっとした冒険。個々の髪質にも左右されるので、かかりつけのサロンでよく相談してからかけましょう。

	ストレートパーマ（縮毛矯正）も基本的にその理論や組成はウェーブを出すパーマと同じ。再結合の際に曲がった状態か、伸ばした状態かによって、得られる形が違うだけです。ストレートパーマの場合は、伸ばした状態を保ちやすいように高粘度のクリーム状やジェル状のパーマ剤を使うのが一般的。技法にはコームスルーによるものとアイロンを用いるものがあり、髪質に応じていずれかの方法や個々に適したパーマ剤が使われます。